私は、小さい頃から父がこの会社を経営しているのを見て、ごく自然にものづくりの世界に入りました。最近は若い人でも、ものづくりに興味を持っている人は多いですね。当社にも札幌高等技術専門学院を卒業して入社し即戦力として活躍している若手が多くいますが、社内では、作業の段取りや道具の選定、コンピュータに頼らない手作業などベテランの技量に学ぶことは多いです。ベテランは、市販の道具を使うだけでなく道具を自作することができ、突発的な状況にも困りません。最先端の技術と昔ながらの技術の使い分けが大事ですから、熟練した技術を社内で継承しています。60歳の定年を過ぎて継続勤務している人は、一区切りついたためか子どもや孫と接するかのようにやさしく教えています。
<事業>マシニングセンタを製造するマザーマシンを保有
株式会社出崎機械製作所は、全国でも数少ない、工作機械、輪転機などの大型部品を加工する企業だ。同社は、多機能で高精度な切削加工機械であるマシニングセンタを製造するマザーマシンを保有し、マシニングセンタの主要な構成要素であるベッド、コラム、テーブル等の大型部品の加工技術が高く、三井精機工業(株)に納品している。また、(株)ゴスグラフィックシステムズジャパンの新聞印刷用輪転機のレールフレーム等の加工もおこなう。この両者をあわせると売上の約半分を占める。ほかに今年からステンレス加工の技術で廃棄物保存容器の部品製造をてがけている。現在、工作機械メーカー全体は1兆円産業といわれ、多忙をきわめるが、堅実な事業展開で利益率をあげている。
東苗穂工業団地に建つ本社工場
マシニングセンタのベッド、コラム、テーブルなど大型部品を製作
<技術>多様な素材と加工手法で部品加工
同社は、長さ2〜4mの大型部品を削る技術にかけては道内トップクラスといえる。さらに、鋳物のほか、鋳鋼、ステンレス鋼など多様な素材の加工技術をもっている。また、マシニング加工だけでなく旋削から円筒研削仕上げまでの軸加工もできる。そのため、同じ東苗穂工業団地内で旋盤をおこなう企業から5軸加工の高度なものが同社にもちこまれることも多い。技術を売る企業なので、レベルの高い仕事をするために、最新設備や最新技術と伝統的な職人の技術の両方を大事にしている。
一方、主力の大型加工機械については更新時期を迎えているが、15〜20年前の機械は馬力があり重厚でしっかりしている上、使い勝手が良く、さらに新規購入の3分の1の費用で済むという効果もあるため、NC装置と駆動部品を交換するなど順次オーバーホールしていく予定だ。
五面加工機にてSUSフランジを加工
ステンレス加工も得意とする
企業データ
会社概要
創業/昭和33年(1958)6月
設立/昭和42年(1967)
代表者/代表取締役 出崎 友朗
資本金/1,000万円
売上高/1億8千万円(18年2月期)
従業員数/18名
沿革
昭和33年6月 北海道古平郡古平町にて鉄工所をはじめる
昭和37年7月 札幌市白石区菊水に工場を移設
昭和50年8月 札幌市東苗穂工業団地に工場を新設
昭和58年3月 NC装置付き横中ぐり盤を導入
昭和60年11月 札幌市優良工場として札幌市長賞を受ける
昭和58年以降 大型マシニングセンタ、NC横中ぐり盤5台を導入
取引先
三井精機工業(株)
(株)ゴス・グラフィックシステムズジャパン
ほか
主要設備
五面加工機 東芝機械(株) MPE2140 門幅2100mm
横型マシニングセンタ 三井精機(株) HS8A 1台
HR7A 2台
横中ぐり盤 東芝機械(株)
BP130-R22 1台
BP13-R5 1台
事業内容
・鉄工製品部品加工