創業45年、1台の高周波焼入れ機から始まり、今では金属熱処理のみならず、部品の製造から仕上げまでの精密機械加工も一貫しておこないます。最近、大手自動車関連企業の北海道進出など自動車産業への期待が高まっていますが、地場企業の参入は容易ではなく、充実した設備・技術・人材や、原料調達を低コストでおこなう工夫が必要です。当社では、クラッチ板の熱処理を拡大するために第三工場を建てて最新鋭のラインを導入し、世界中に出せる価格を実現しました。
また、当社では平成元年(1988)から昨年まで研修施設「テクノプールさっぽろ」を運営し、材料技術やCADのセミナーを開催し、機械工業関連企業のネットワークも広がりました。技術の向上や時代の変化に対応した生産体制など、日々新たなる課題に取り組んでいます。
<事業>金属熱処理の道内のパイオニアにしてトップリーダー
株式会社池田熱処理工業は、昭和36年(1961)に道立工業試験場の支援をうけて導入した出力40kWの真空管式高周波誘導加熱装置1台で創業した。炭鉱用機械の部品で大きく業績を伸ばし、昭和46年(´71)に東苗穂工業団地に工場を建設して機械加工部門を充実させ、農業機械の部品へシフトしていった。
現在は、道内を中心に約450社との取引があり、道内の金属熱処理では90%以上のシェアを誇っている。30年来のつきあいがある(株)ダイナックスのクラッチ板の熱処理加工は平成12年(2000)から始まり、現在は同社の売上の60%を占める主力事業となっている。一方、機械加工部門では、溶接タイプ油圧シリンダーの製作もおこない、プレス、研削、塗装、組み立てなどの体制も整えている。
充実した設備で熱処理がおこなわれている
道内企業初の高周波焼入れ機を導入して創業
<技術>総合金属熱処理と精密機械加工の統合 技術の継承にも熱心
金属熱処理は、金属材料に加熱、冷却などをおこなうことにより、耐久性、耐摩耗性、耐熱性などを与えるもの。同社では、創業以来蓄積された技術により、多様な形状・材質の熱処理に対応。高周波焼入れ焼戻し処理では、誘導加熱の特色を活かして硬化層を自由に選定することで、部品に応じた耐摩耗性を与えることができる。熱処理設備は関東以北最大級の規模を誇り、精密機械加工ではマシニングセンタを市内でいち早く導入し、道内唯一の大型応力除去焼鈍炉で鋳造品の処理もでき、熱処理、仕上げまでを一貫して行うユニークな生産システムだ。
また技術の高度化にも熱心で、同社と道立工業試験場が中心になって開催する月1回の「材料技術勉強会」は関連企業の交流にも成果を挙げ約30年続いている。
部品製造から熱処理まで一貫した作業で生み出される製品群
3棟の工場に関東以北最大規模の設備
企業データ
会社概要
創業/昭和36年(1961)9月
設立/昭和38年(1963)10月
代表者/代表取締役社長 佐藤 文紀
資本金/6,000万円
売上高/10億円(18年3月期)
従業員数/47名
沿革
昭和36年9月 高周波誘導加熱装置を設置して池田惣一郎氏個人で創業
昭和38年10月 資本金250万円で株式会社池田熱処理工業に改組
昭和46年3月 東苗穂工業団地に工場を建設し、機械加工部門を充実
昭和50年6月 東苗穂工場を増築し、本社業務並びに工場を移転統合
平成6年10月 第二工場操業開始
平成17年7月 第三工場を増築し、連続光輝焼鈍炉を新設
取引先
(株)ダイナックス
北海道ニプロ(株)
ほか
主要設備
高周波焼入れ設備 (株)電気興業 180kw2台、360kw1台
適注式ガス浸炭炉 オリエンタル 5台
光輝戻し炉 オリエンタル 1台
多目的光輝焼入れ炉 オリエンタル 2台
ガス軟窒化炉 オリエンタル 1台
真空炉 中日本炉工業 1台
ガス焚台車炉 3台
ガス焚光輝連続焼鈍炉 オリエンタル 1台
事業内容
・高周波焼入焼戻し
・ガス浸炭及び浸炭窒化焼入れ焼戻し
・一般熱処理加工(調質、ずぶ焼入、焼鈍し、焼きならし)
・光輝焼入焼戻し、焼鈍し
・真空熱処理
・精密機械部品製作
・油圧シリンダー設計製作